関連サイトのご案内です。
イーズ未来共創フォーラム
未来創造部
未来創造ユースチーム
イーズについてのご案内です。
有限会社イーズについて
企業・組織の方へ

インタビュー

ホーム > インタビュー > 森 雅志(1):インタビュー

富山市長 森雅志 聞き手 枝廣淳子 Interview07

前のページ12345次のページ
Tweet

減少する人口と向き合う、富山市の挑戦

枝廣:
富山市はコンパクトシティへの取り組みを進めていますね。
森:
底辺に流れている問題意識は人口減少です。人口が減少していく中で、郊外に拡散していくようなまちづくりから、少なくてもこれ以上の拡散は止め、できるだけ市街地に人が集まってくるようなまちづくりや、公共交通をブラッシュアップして、クルマ一辺倒の暮らしから公共交通も使うという暮らしにシフトさせていく。そういうことを進めています。

たとえ、現在市民に嫌がられても、
将来市民のために「今」しなければならないこと

枝廣:
LRT導入を議論している地域はほかにもありますが、実際の導入に至ったのは今のところ富山市だけです。物事を進めていく原動力は何なのでしょうか?
森:
「今やらなくてはならない」という強い気持ちです。例えば、富山市では市道の維持管理費が現在、今、市民一人当たり年間4,000円かかります。それがこのままだと、25年後ぐらいには1人あたり7,000円ぐらいになります。
今の若い世代、10代、20代にしてみると、「30年後ぐらいに社会の中枢を担うときに、高コストになっている」ということになります。それでは、僕らの世代として責任が取れません。だから今のうちに、たとえ現在の市民に嫌がられても、将来市民のためにやらなくてはならない、と思っています。
LRTが走るまちの風景
車両の低床化、バリアフリー化、アテンダントの配置

LRTが走るまちの風景(車両の低床化、バリアフリー化、アテンダントの配置)

森:
政府に、総理を本部長とする地方分権改革推進本部があります。そこに対して意見を言う「地方分権改革有識者会議」に、全国市長会から私がメンバーになっています。その第1回で、どういう方針で行くかという議論をしていたとき、「市民の幅広い声を」という意見に対して、僕は「市民の中には将来市民もいるということを言わなくてはならない。現在市民だけが市民じゃない。現在市民だけの声で動くとポピュリズムになってしまう。今の市民に嫌がられるが、将来市民には大事なことがある。それを意識して仕事をすべきだ」と言いました。次の会議で出された基本方針に、「将来市民」という表現が入っていました。「今良ければいい」だけじゃないということはとても大事だと思います。日本は、人口減少時代に入ったのです。

高齢化と人口減少が同時に進む地方都市ほど、
将来をしっかり見据えて布石を打たないといけない

枝廣:
森市長はいつ頃からそのような問題意識を持つようになられたのですか?
森:
僕が市長になったのは2002年1月ですが、具体的に対策を考えようと思ったのは2003年です。人口減少と高齢化が進む中で、2001年に始まった介護保険制度がきっかけの1つです。この制度は、それぞれの地域でつくる介護保険の組合が、その地域内にいる介護が必要な人にサービスを提供し、そのサービスにかかる費用の半分を国の税金で負担し、残りの半分を40歳以上の市民が分担するしくみです。
地方に親を残して都会で働いている人は、その住んでいる地域の介護保険料を払うことになりますが、都会は高齢化率が低いので、安くてすみます。しかし地方は、高齢者も多いから介護保険料が高く、その高い介護保険料を少ない数の若者が負担することになります。その中で人口が減っていくわけですから、地方都市ほど、将来をしっかり見据えて布石を打たないといけないのです。
年齢3区分別人口の予測

出典:富山市将来人口推計報告書

枝廣:
今でこそ、日本は人口減少時代に入ったなどメディアでも採り上げるようになりましたが、10年前からその時代を見据えて手を打っていらしたのですね。自治体の中でも珍しかったのでは? いまだに何とか人口を増やそうとしている自治体もありますよね。
森:
そんなことは無理です。切り替えができないのは、仕組み全体が右肩上がりの時代につくられたものなので、それを大胆に変えることの反作用があまりに大きいからでしょう。あるいは、幻想を見ているか......。
沖縄も東京も人口は減り始めていますよね。ある意味、それはいいことです。昭和の初めの頃の日本の人口は7,000万人ぐらいでしたが、それで不幸だったかと言うと必ずしもそうでもありませんよね。そういう意味では、本来あるべき人口、本来あるべき社会にソフトランディングさせていくことが大事なのであって、そういう意味では好期を迎えているのかもしれません。
総人口の予測

出典:富山市将来人口推計報告書

地方都市の立場から言うと、日本全体の人口が減る中で、きちんとした布石を打たないでいると、自分のところの人口は加速度的に減っていきます。今から5年、10年たつとはっきりすると思いますけど、都市間の格差が大きく出てくるでしょう。

ちなみに、富山県内には10市ありますが、おととしの国勢調査で、5年前より人口が増えていたのは富山市だけです。残りは全部減っています。すでに差が生まれてきているのですよね。

インタビュー

  • リチャード・ハインバーク
  • 影山 知明
  • 坂東 元
  • 高野 翔
  • 太田 直樹
  • 新井 和宏
  • 平山 征夫
  • 田口 佳史
  • 中村 俊裕
  • セヴァン・カリス=スズキ
  • 森 雅志
  • 草郷孝好 × 平山修一 × 枝廣淳子(第4回オープンセミナー)
  • ジョン・デ・グラーフ
  • 塩見 直紀
  • スラック・シワラック
  • レスター・ブラウン
  • ヘレナ・ノーバーグ=ホッジ

注目のキーワード

  • 地球の境界(プラネタリー・バウンダリー)2023年版
  • 産業連関表
  • SROI(Social Return on Investment)
  • コミュニティ・ランド・トラスト
  • ジェンダーギャップ指数
もっと見る

Page Top

ISHES

Information

フッターメニューです。
お問い合わせ
About Us
サイトマップ
ソーシャルメディア関連です。
Facebook page
Subscibe to RSS
「ジャパン・フォー・サステナビリティ」のWebサイトを別ウインドウで開きます

ジャパン・フォー・サステナビリティ
Japan for Sustainability

「有限会社イーズ」のWebサイトを別ウインドウで開きます

有限会社イーズ

 
「有限会社 グラム・デザイン」のWebサイトを別ウインドウで開きます
Copyright (c) ISHES All rights reserved.