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ホーム > インタビュー > リチャード・ハインバーク(1):インタビュー

ポストカーボン研究所上級研究者 リチャード・ ハインバーグ 聞き手 枝廣淳子 Interview17

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リチャード・ハインバークさんは、化石燃料に依存する生活からの移行を推進していることで世界的によく知られています。今回のインタビューでは、なぜコミュニティにレジリエンスが必要なのかについてお話を伺いました。

衝撃はいつ起きてもおかしくない

枝廣:
リチャードさんは長年コミュニティのレジリエンスに関する取り組みを続けていらっしゃいます。なぜ、コミュニティはレジリエンスについて考えなくてはならないのでしょうか。
リチャード:
レジリエンスとは、基本的な構造や機能、独自性を維持するために、衝撃に適応するためのシステムです。衝撃はいつ起こるかわかりません。どの地域にも独自の問題があります。例えば、火山、地震などです。しかしそれ以外に、私たちは、気候変動や不安定な経済、資源の減少といった地球規模の問題も抱えています。今後こうした問題が激化して、適応が難しくなることは、ほぼ間違いないでしょう。レジリエンスについて考えることは、そうした問題への適応を容易にするために、先取りして考えることなのです。
枝廣:
いつ起きてもおかしくない衝撃の例として、気候変動や資源の減少をあげてくださいました。もっとも起こりそうなのは、どのような衝撃だとお考えですか?
リチャード:
経済システムと金融システムへの衝撃が起こるのではないかと思います。2008年の世界金融危機は、非常に深刻なものでした。しかし、近い将来、再び強烈な危機が起こりえます。前回の世界金融危機への対処方法では、根本的な問題がそのまま残っているためです。
長い目で見れば、エネルギー供給について問題が生じることも明らかです。化石燃料は世界の主要なエネルギー源ですが、有限なものです。石油を例に考えてみましょう。世界にはまだ十分な量の原油があります。でも、人類は良質でコストがかからない原油から先に使っています。つまり、時間がたつにつれて、残っている原油は高価になり、取り出すのが難しく、環境的にも危険なものになるのです。私達はこうした問題を、世界各地での石油流出と汚染という形ですでに目にしています。
この原油供給についての問題は、米国でのフラッキング(注:水圧破砕法、タルトオイルやシェールガスを採掘するときに使用される方法)やカナダのタルトサンドといった非従来型原油の生産量増加によって、短期的には隠されています。しかし、こうした原油は高価であるため、石油産業全体は、それほど利益を出せなくなります。ですから、持続可能な状況ではないのです。
石油の需要が減少する前に、供給量が減る可能性も大きいと思います。そうなれば世界経済にとって大問題になるでしょう。私たちは石油を、乗用車だけではなく、海運や航空、トラック輸送にも使っているからです。輸送は、グローバル経済の活力源なのです。

コミュニティのレジリエンスを高める

枝廣:
この問題は日本では特に深刻です。日本ではほとんどのエネルギーを輸入に依存しているからです。そして現在、様々な問題が起こりつつあります。だからこそ、レジリエンスが必要なのですが、どうすればコミュニティはレジリエンスを高めることが出来るでしょうか。
リチャード:
一つの方法はサプライチェーンを短くすることです。私たちが買うものはすべて、サプライチェーンの最後に位置しています。サプライチェーンの最初に来るのは農場や炭鉱などです。そして、そのあとに、製造や包装といったたくさんの工程があります。経済システムやエネルギーシステムが危機に瀕した場合、サプライチェーンが長く脆弱であればあるほど、弱点が多くなります。サプライチェーンを短くすること、それはつまり、製造と消費をもっと地元で行うことです。
枝廣:
食料などの地産地消ですね。
リチャード:
地産地消にはたくさんの可能性があります。地域経済の役に立とうとするなかで、たくさんのプラスの副産物が生まれます。地元の文化も守られます。人は自分が食べるものを誰が育てたのかといったことを知りたいものです。
また、コミュニティのレジリエンスを構築することは、経済やエネルギーだけではなく、社会、つまり人々の結びつきにも関わります。人々がお互いに知り合いで、配慮し合う社会は、本質的にレジリエンスの高い社会です。それに対して、買ったり借りたりといった市場を通してしか人々がやりとりを行わない社会は、壊れやすい。「お金があれば関係性はなくてもよい」となってしまうからです。人々がもともとお互いに配慮しあい、やりとりを行っているのであれば、物事が悪い方向に進んだときには、助け合うことができます。
枝廣:
私は日本の地域コミュニティのレジリエンスを高める手助けをしています。その一つの方法は、あなたがおっしゃったように、食料などのサプライチェーンを短くすることです。ただ、「安いから輸入製品を購入する」という人が多いことも事実です。長期的にはレジリエンスが必要であることは理解していても、短期的には価格の安いものを購入する、という問題です。この問題を解決するための良いアイデアや実例はないでしょうか?
リチャード:
良い質問ですね。私も同じ問題を目撃してきました。旬ではないものを食べたり、遠くで育てられたものを食べたりするのが当たり前だったとしたら、「なぜそうなのだろう?」と人々の嗜好や習慣に寄り添う必要があるのではないでしょうか。たとえば、みんなで、自分たちの食べ物がどこから来ているのか、どんなものを食べたいのかを調べ、そして、地元で育てられている野菜やその旬について調べてみます。トマトが旬の季節なら、地元産のトマトは、海外産のトマトよりも安いはずです。旬のものを食べることは、問題の手助けにもなるのです。
枝廣:
なるほど。食は誰にとっても毎日の出来事ですものね。サプライチェーンを短くすることが、コミュニティのレジリエンスを高める一つの方法ということですが、そのために、なにかアドバイスはありますか?
リチャード:
重複性、つまり「複数持っておくようにすること」も重要です。もしコミュニティがエネルギーや経済をひとつの供給源に頼っているのであれば、レジリエントな状態とは言えません。脆弱です。たくさんのエネルギー源があるならば、ずっとレジリエントな状況です。特に太陽光ならその地域にあるものですからね。食べ物や金銭的な経済についても同様です。

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