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ホーム > インタビュー > 田口 佳史(1):インタビュー

老荘思想研究者、株式会社イメージプラン代表取締役社長 田口佳史 聞き手 枝廣淳子 Interview10

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日本は地理的にも東洋と西洋の橋渡し的な位置づけにあります。この日本だからこそ、持続可能で幸せな世界に向けてできることがあるはず――私が10年前にJFSを立ち上げたのもそういった問題意識からでした。

老荘思想研究者の田口佳史先生は、一般社団法人「東洋と西洋の知の融合研究所」理事長も務められ、企業、官公庁、地方自治体、教育機関など全国各地で講演・講義を行い、中国古典を基盤としたリーダー指導によって多くの経営者と政治家を育てていらっしゃいます。田口先生に東洋と西洋の知の融合についてお伺いしました。

日本の地理的特性からの知的遺産

枝廣:
「八百万の神」という考え方のある日本で、思想哲学はどのように育ってきたのでしょうか。
田口:
日本には地理的特性があります。その1つは「森林山岳海洋国家」であることです。森林の奥には人智を超えた偉大な力があると信じられていました。濃い森と険しい山が続く場所では「見えない神」を感じる心が研ぎ澄まされます。ここに独特の神観念が生まれました。「八百万の神」というように、山も岩も大木も神となります。
1つに定まった神ではなく、多くの神が存在していること、神の像をもっていないことが神道の特徴です。自然の中に神を見る――こうして鋭い感性と深い精神性が養われていきました。ちなみに、日本のアニメが世界でも評判を博しているのは、こういった感性と精神性の裏付けがあるからでしょうか。
三重県熊野市 花窟(はなのいわや)神社に祀られている丸石。
また、水が豊富で地形が急峻な日本では、川は山から海へと急流となって流れるため、その水はつねに澄んでおり、川底まで見通せる清さがあります。ここから清らかで濁らないことを大切とする清明心が生まれました。ビジネスの世界でも腹黒さは嫌われ、清明心は日本のリーダーシップの源泉のひとつとなっています。
日本のもうひとつの地理的特性は、ユーラシア大陸の東端に位置することです。日本にはもともと神道がありましたが、アジアの叡智である儒教、仏教、道教、禅が東へと流れ、東端である日本に次々と到達しました。それらはそれぞれがその形を残しつつ発展したばかりか、融合して新しい文化となり、香りの良い味わいの深い思想哲学を生み出したのです。

日本の背後にある東洋思想

枝廣:
2つの地理的特性に恵まれた日本における東洋思想とはどのようなものなのでしょうか。
田口:
前述の日本の地理的特性から、自然との共生、他宗教とも争わない受容性、多様性の尊重といった、日本の文化的基盤が生まれました。自然の中に生かされているという感覚から、東洋思想の特徴の一つである「万物斉同」(万物は等しく同じ)という思いがあり、キリスト教的な「人間は神から自然の管理を託されている」というStewardshipとは大きく異なる自然観・自然との関係性があります。
東洋思想の基本は「目覚める」こと。仏陀も「目覚めた人」という意味なのです。つまり、真理は外にあり、外から持ってくるものではなく、すべて自分の中にある、と考えます。
東洋思想には「陰陽」という考え方があります。陽とは発展する・拡大する・外に向かっていくといった流れで、陰とは中へ、内面の充実へという流れです。陰陽を見て対応することが宇宙の力に逆らわない生き方・あり方です。
たとえば、子どもにも陽の時期と陰の時期があります。陽の時期には子どもを励まし、外に向かって発展するエネルギーを助けることです。陰の時期にある子どもは、内部の充実を図り、力を蓄えるためのがまんが必要です。
企業にとっても陰陽を把握することが重要です。陰と陽を見分ける名経営者が松下幸之助さんでした。彼は「好況よし、不況またよし」と言っています。不況とは最大のチャンスである、好調時に改革を進めても誰も賛成しないが、不調時なら改革・充実が進められるから、というのです。
写真:松下幸之助

松下幸之助

同時に「陽極まればと陰なり、陰極まれば陽となる」でもあります。どちらかに極端に走ると反転します。企業でも業績が好調だからと、大盤振る舞いなど外へ向かう派手な流れを作っていると、思いの外早く、暗転してしまうでしょう。
この考え方は、あらゆる物事はさまざまにつながりあっていること、バランスが大事であること、短期的に目の前のことだけで判断するのではなく、行きつ戻りつのプロセスを含めて、長期的・全体的にとらえることの重要性を教えてくれます。
陰と陽がお互いに相補って全体を成しているのですから、両方を活かす道を考えることが大事です。一見矛盾していることの両方を取るという思考を身につければ、「コストか、サービスか」「環境か、経済か」といった二者択一ではなく、一見矛盾した関係にあるものの両立を測ることで、ダイナミックな新しい世界を生み出すことができます。老子が「陰陽和して元を為す」と述べたように、これこそが創造性の源泉であり、イノベーションを生み出す最大の秘訣なのです。

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