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ホーム > インタビュー > 草郷孝好 × 平山修一 × 枝廣淳子(第4回オープンセミナー)(2):インタビュー

関西大学社会学部教授 草郷孝好氏 × GNH研究所代表幹事 平山修一氏 × 枝廣淳子 Interview06

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「ゼロ成長」は「動的平衡」、とてもダイナミックな世界のはず。

枝廣:
ありがとうございます。今お話を伺っていて、2つ、すごく大事だと、自分で思うポイントがありました。1つは経済。「企業が企業活動をし、私たちが消費をし、経済活動を続ける」ということと、「経済発展」と、それからGDPで測るような「経済成長」と、それぞれほんとは違うのに、みんなごっちゃにして使っているというふうに思います。
経済成長というのは、「労働者の数×労働生産性の伸び」ですが、労働生産性の伸びは、もう大体過去の経験からわかっている。そうすると、これからどんどん労働人口が減っていくとしたら、経済成長はこれから減っていく。ただ、人口が減っていくので、一人当たりのGDPはまだ増えると思いますが。
ということで、政府の基本問題委員会でも「ゼロ成長」ということを言ったんですね。でも、「ゼロ成長」と聞いた途端に、「自転車をこいでいないと進まないのに、こぐのをやめたらバッタリ倒れてしまいます」という反応が返ってくるんですね。
そうではなくて、経済は回り続ける。企業は競争を続けていくし、新製品もどんどん出ていく。それぞれの市場に新しいものが出てくる。非常にダイナミックな世界だと思います。だけど総量として増えていかない。つまり、「動的平衡」なんですね。
自転車はこぎ続けるんだけれど、「これまでのようにどんどん加速し続ける必要がありますか?」というのが、「GDPを上げ続ける必要があるのか?」ということなんですね。それが多分、すごくごっちゃになって、経済成長に疑問を言った途端に、「経済止めるのか」みたいな話になってしまう、というのを最近よく経験しています。それが1つ。

「GDPが減ってGNHが増える社会」は可能だろうか?

枝廣:
もう1つは、今、GDPとGNHという話をしているんですが、それはどっちかではないんですよね。GDPだったらGNHではないというわけではなくて。
たとえば、GDPという枠があって、GNHというのがあったときに、4つに区分けて考えることができる。GDPが増える。GDPが減っていく。GNHが増える、GNHが減る。
1つの社会の中で、GDPも増えながらGNHも増えるということもありますよね。多分、私たちが今、日本の問題として感じているのは、「GDPは増え続けようとしているかもしれない。だけど幸せというGNHって、どうなの? ボロボロになっているんじゃない?」ということです。最悪は「GDPも減るしGNHも減る」という社会ですよね。原資もなくなるし、幸せ自体もどんどん減っていく。
多分、私たちが考えなければいけないのは、どうやってこの黒い部分から赤い部分へ行くか。GDPは、さっき言ったように労働人口が減ると絶対に減ります。もし、労働人口の低下を補うくらい私たち一人ひとりの生産性を上げようと思うと、一人当たり年率3%で成長を続けないといけない。それは過去にないんですね。バブル期のごく一時期あったみたいですが、あり得ないと経済の専門家も言っています。
また労働人口が減ったときに、外国人労働者を増やしたり女性をもっと活用したりすればよいのでは、などといろいろ言う人がいますが、それは解決にならないというのが、「『人口減少経済』の新しい公式―「縮む世界」の発想とシステム」(松谷明彦著・日本経済新聞社)という本に書かれています。
なので、GDPはもう減っていく世界になる。だからやはり、日本の政府も遠からず、日本のいろいろなことを測るものをGDPから一人当たりGDPに変えるはずです。今、多分そのタイミングを計っているのではないかと、私は思います。一人当たりGDPはまだ増えますので。
だけど、どっちにしてもGDPが減っていくのはもう所与なので、その中でGNHも減っていくのではなくて、経済自体は、規模は縮小していったとしてもGNHが大きくなるような、そういう社会をどうやってつくるのか。これが多分、今私たちが一番考えないといけないことなのかなと。今までは、どちらかと言うと、GDPかGNHかという枠で考えていたのですが、こういうふうに考えてみました。どうでしょうか?
草郷:
GNH研究所代表幹事 平山修一氏

どうもありがとうございます。これはすごくわかりやすい図だし、おっしゃる通りで、GDPかGNHかではないですよね。どのような形でGDPが置かれるべきか、ということですね。

この部分の赤いところでのwell-beingといのは、「自分たちの生活の質を保証するためには何が大事なのか?」といった議論が要求される部分だと思います。もちろん経済も大事でしょう。だけどそれ以上に、たとえば地域に住んでいて、そこで非常にいい仲間がいて、そこで暮らせるということの充実感とか、いい仕事がある。こういうときのいい仕事の種類が、果たしていわゆる賃金で測れるものなのかどうなのかとか、そういったことの議論を要求される部分だと思います。
なので、恐らく一番大きいポイントは、「経済はやはりGDPのことなんだ」という考え方。この認識を何とかして切り替えられないと、「多面的なwell-beingが大事ですよ」といったことがなかなかストンと腑に落ちてこないと思います。
ただ、追い風なのは、日本もそうですけど、OECDやいくつかの国が、「やはりGDPだけでは駄目なんじゃないか、社会の進歩はそれで測れません」ということを言いだしているので、ここはチャンスだと思っています。それをうまく世の中でも広げていく必要がある。
それから、僕が尊敬している水俣の吉本哲郎さんの思想も参考になると思います。吉本さんは、3つの経済だと言い切っていて、1つが「お金の経済」、それから「協働する経済」、もう1つは「自給自足の経済」。その3つの経済がちゃんとバランスが取れればいいんだということを吉本さんは言っています。
「じゃあ、それって、私の地域でできるの?」と、特に東京にいると思うんですね。1つの地域では無理かもしれません。でも、たとえば農村と都市を連携させるとか、地域と地域をつなげていく。そういうようなことも含めて変えていかないとならない。
でも、行く可能性はゼロではないと、僕は思います。
平山:
GNH研究所代表幹事 平山修一氏

私も同感でして、やはりこういう図で描かれると非常にわかりやすいなと思いました。ほんとに枝廣さんがおっしゃる通り、じゃあGDPで測れないものでGNHを高める要素って、たとえばつながりであったり、信頼であったり、いろんな関係性の要素もありますよね。あとは、食べ物にしても、そういうものへの不安がないとか、そういったものもあるし。

また、社会全体で、たとえばフードバンクのように、余剰というか、賞味期限が切れているというようなものでも、それを有効活用されて無駄にならない仕組み。ちょっとした考え方で誰かの安心を担保できる。それにお金が介在しないもの。でも、こういう形の方向性が見えるんじゃないかなと思います。

枝廣:
ありがとうございます。たとえばGDPだけではなくて、OECDとか、日本も今、そういう指標を作る動きが出てきていますが、草郷さんがおっしゃったように、社会の進歩はGDPだけで測れない。だからほかのものが必要だと。そこがすごく、日本にとって新しさがあって。
つまり、これまで社会の進歩なんて考えてなかったんじゃないか、経済の進歩しか考えてなかったんじゃないかと思います。恐らく経済イコール社会か、経済の中に社会が包含されているか、多分そんなイメージで、経済が大きくなれば社会の良さはついてくるだろう的な感じでいたんじゃないかなと。だから、社会の進歩をほんとに考えるということ自体が、私は日本にとって新しいような気がしていて。OECDとか、ヨーロッパの国は、そうではない歴史をいろいろ歩んできていると思いますが。

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