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アースポリシー研究所所長 レスター・ブラウン 聞き手 枝廣淳子  Interview02

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まだまだある!
日本の再生可能エネルギーの可能性

レスター:
日本は、そうしたいと決めれば、全国にあるすべての原子力発電所を、地熱で置き換えることができます。
枝廣:
はい。
レスター:
小さな国のアイスランドは、現在、発電での地熱利用を大幅に拡大しています。アイスランドを思い出した理由は、アイスランドが日本のように地熱資源が豊かだからです。アイスランドは、現在、地熱発電による電力をスコットランドや欧州の他地域へ輸出するために、スコットランドまで海底ケーブルを引きたいと考えています。
アイスランド・レイキャビク近郊に立地する同国最大の地熱発電所、Nesjavellir発電所

アイスランド・レイキャビク近郊に立地する同国最大の地熱発電所、Nesjavellir発電所

枝廣:
そうですね。その通りです。日本は地熱エネルギーの潜在可能性は世界第3位です。しかし、私たちは、そのわずかな一部しか活用していません。
しかも日本のエネルギー事情に関する政治的な課題によって、風力発電とほかの再生可能エネルギー源もまだ開発されていません。
レスター:
それは変わりつつあると思います。
枝廣:
ええ、変わるべきであり、変わっていると思います。日本政府と経産省がいわゆる「次のエネルギーの枠組み」について大きく変わりつつあります。よりよいかたちに変わってほしいです。また、そうあるべきです。

再生可能エネルギーへのシフトは
雇用ももたらす

枝廣:
再生可能エネルギー源へシフトすることで、原子力と比べて雇用が増えるでしょう。
レスター:
はるかに労働集約度が高いですからね。風力と太陽光は、例えば、石油や石炭よりもはるかに労働集約度が高いです。石油精製所の近くを車で通りかかると、たくさんのタンクと配管が見えますが、人間はいません。しかし風力発電所を見れば、それを維持するために常に作業する人がいます。風力タービンの設置は、労働集約度が高い一方、あまり多くの資本を必要とせず、設置にかかる時間もとても短くてすみます。風力発電の最も素晴らしいところは、1年、つまり12カ月以内に大きな風力発電基地を構築することができるということです。一方で原子力発電所は構築までに数年を要し、巨額の資本を要します。
特に新しいエネルギー技術など、新しい技術を評価しようとする場合、私が注目するものの一つに、米国金融市場があります。どういう研究に多額の投資を行っているか、です。米国金融市場では30年以上、原子力発電所への投資はありません。
典型的な風力タービンを組み立てているところ
風力発電機のブレードを設置場所まで運んでいる様子

(左)典型的な風力タービンを組み立てているところ
(右)風力発電機のブレードを設置場所まで運んでいる様子

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枝廣:
本当ですか?
レスター:
はい、今後もないでしょう。例えば、風力や太陽光には数十億ドルを投資している一方で、原子力発電に投資をしない理由は経済的ではないからです。他方、米国内には開発中の地熱発電所が141カ所あると思います。
枝廣:
それはわくわくしますね!
レスター:
ですから、物事はようやく始まりかけているのです。
枝廣:
日米政府にとっても、多くの各国政府と同じく、雇用が非常に重要です。なぜなら、社会には失業に関連する大きな問題があるからです。どうあって雇用を増やすかは、多くの各国政府にとって最大の課題の一つです。その意味では、欧州各国など多くの政府が再生可能エネルギーに注目しているのに、なぜ日本政府は計画していないのでしょうね? 政治家にとって再生可能エネルギー源への投資と促進は、環境面だけでなく、雇用の面でもよいはずです。雇用は人々に幸せをもたらします。言うまでもなく、失業している人は幸せではありませんから。
レスター:
世界はより多くの雇用を切実に必要としています。雇用を増やすためには、化石燃料から脱却し、エネルギー経済を再構築するのも一つの方法です。化石燃料とは、資本集約度が高く、労働集約度は高くありません。一方で、太陽光、風力、地熱は労働集約度が非常に高いのです。開発及び保全の両方において、多くの雇用が創出されます。

幸せの新しい指標は?

枝廣:
私たちは、GDPで測るのではなく、進歩を測るために新しい物差しや基準を持たなければなりません。レスターさんの「公園と駐車場の面積比」という指標は面白いですね。あれは、レスターさんがお作りになったのですよね?
レスター:
ええ。
枝廣:
これも幸せの要因に関連しています。こうした新しい基準がもっとあればと思います。
レスター:
いま枝廣さんがお話されたことは、おそらく10数年前に思いついたことでした。当時、私はイスラエルのテル・アビブにいました。テル・アビブは新しく、巨大な都市です。イスラエル人の半分がテレ・アビブ市に住んでいるそうです。
例えば、米国では、ほぼ電気のみで自動車を動かす日が近づいてきました。1ガロン当たり1ドル(1リットル当たり26セント)以下のコストに相当します。経済的に考えてみれば、突如として非常に魅力的になります。
ビジネスマンの団体を対象として話すために、ホテルから会議場へ移動するために自動車を運転していたときのことです。私はびっくりしました。自動車を停めることができるスペースにはすべて、自動車が駐車されていたのです。そこで、都市の暮らしやすさや、市内で感じる雰囲気の最善の指標の一つは、公園と駐車場の割合であると考えるようになりました。
もし、大部分が公園ならば、むしろ快適な場所になります。大部分が駐車場ならば、それほど素敵ではありません。結論として、私たちは自動車ではなく、人間のために都市を設計しなければならないのです。過去50年間、私たちは自動車のために、世界中の都市を設計してきました。その結果、私たちは大気汚染、交通渋滞、欲求不満を経験するようになりました。ですから、少なくとも、都市の設計について、私たちの考え方を根本的に変える必要性があるとわかるようになったのは、その一つの指標のおかげでした。
枝廣:
私たちはこうした新しい測定方法をもっと多く持たなければなりません。GDPや企業の株価を見ると、人々はそれが本当に何を意味するのかわからずに、単にこうした変動する数字に注目しているのです。
レスター:
そうですね。
枝廣:
ですから、私たちは福利と幸福のための本物の指標を作って発表しなければなりません。
レスター:
そうですね。もう一つ言えるのは、人間ではなく、自動車のために都市を設計すると、都市はもはや歩行者にやさしくないということです。運動をするための方法である自転車にもやさしくありません。現在は肥満の問題があります。交通渋滞と大気汚染と並ぶ兆候です。
しかし、電力によって主に駆動及び電源供給されている輸送システムがあり、自動車を置き換える非常に優れた移動手段と自転車にやさしいシステムがあれば、どのような都市になるか想像してみましょう。静かで、時折、自動車を運転するときに聞こえる電気モータのブーンという音がするだけです。大気汚染も話題になりません。今日、大気汚染がない静かな都市など想像すらできません。私たちの経験からは程遠いのです。そうしたタイプの都市こそ、将来的に構築する必要があります。
枝廣:
そうですね。

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